初めての外壁塗装【見積り依頼~工事完了までの手順】全解説

この記事では【外壁塗装を考え始めてから工事が終わるまでの全て】を一通り予習出来るようにまとめました。

外壁塗装をするには、業者を選んで→見積りを取り→比較し→契約→工事が始まり…とユーザー側にも多くの労力が必要です。

しかもどれも初めて経験することばかり。

それぞれの工程で「これで良いのだろうか?間違っていないかな…」と不安になる場面が何度も出てきます。

この記事を読んでであらかじめ予習をしておけば、その時になって慌てる事が有りません。

外壁塗装の各工程ごとに、皆さんが考える事や選択肢のポイントを挙げてあります。
各項目にはそれぞれの解説記事ページに飛べるリンクもありますので、このサイト全体の大まかな目次にもなる作りになっています。

ではゆっくりと読んでみて下さい。

目次

1・初めての外壁塗装で必要な基礎知識

まずは外壁塗装の概要・基礎知識について考えてみます。
外壁塗装を行う時に最初に知りたい基本情報をまとめました。

外壁塗装の基礎知識についての詳しい解説8項目は下記ページにまとめてあります。

1-1・ 外壁塗装の目的

「外壁塗装で何が出来るのか?」といった外壁塗装の目的について考えてみます。

実は「外壁塗装では出来るい事」もあるので、出来る事と出来ない事について始めにまとめてみます。

外壁塗装で出来る事…つまり外壁塗装の目的は主に以下の6点になります。

1-2. 外壁塗装で出来ない事もある

外壁塗装をすれば出来ると誤解されている「外壁塗装では出来ない事」もあります。

少々残念なお知らせにはなりますが知っておかないとトラブルの種になりがちです。

業者側でもこの部分が外壁塗装で出来るといった間違った知識を持っている人もいます…

2・初めの外壁塗装を行う時期

外壁塗装を行う時期(タイミング)は、10年~14年の間です。

では、我が家は10年目が良いのか?14年まで大丈夫何なのか?
そのタイミングを知らせてくれる「目安」になる症状をピックアップしてみましょう。

【外壁塗装の時期について、詳しい解説は下記ページにまとめてあります】

また、年間を通していつの時期が一番適しているのか?

については「1年中いつでも同じ(都内近郊の場合)」になります。

(メーカーカタログには気温が5℃以下に下がる時には水性塗料の場合に塗料が凍ってしまうので塗るのを控えるようにと記載があります)

3・外壁塗装の依頼先を探す方法

一般的には「見積りを3社から依頼して、最終的に1社に決めます」と言われます。

外壁塗装を行うには業者を探さなければなりません。

ただ、どのように?という判断の基準が「ていねい」や「親身になってくれる担当者」など、耳障りの良い言葉に置き換えられていて意外と具体的ではありません。

ここでは具体的な内容を盛り込んで解説していきます。

3-1. 見積りを取る業者の情報を得る

外壁塗装の見積りを依頼する業者を探す方法には、主に以下の9つの方法があります。

このサイトを見て頂いている時点で「インターネットで探す」ことはされているかもしれませんが、他にもいくつかあるので注意点も含めて解説します。

外壁塗装の業者を探す9つの情報源
  1. インターネット
  2. 新聞チラシ
  3. ポスティング
  4. 電話帳
  5. 電話勧誘
  6. 訪問営業
  7. 口コミ
  8. 外壁塗装のセミナー
  9. 実店舗

3-2. 見積りを取る業者を選ぶ …①

最終的に外壁塗装の見積りを依頼出来る業者にはどのようなところがあるのでしょうか。

ここでは【実際に直接工事をする会社】と【工事をする会社を紹介してくれる会社】に分けて解説していきます。

3-3. 見積りを取る業者を選ぶ …②

外壁塗装の見積りを依頼する業者のパターンは、主に以下の6種類です。

4・外壁塗装の見積りの取り方

外壁塗装やリフォーム全般などでは「相見積り」を複数取るのが一般的です。

一般的には「相見積りは3社から取って比較しましょう」と言われています。

その見積り3社を選ぶところから実際は【失敗】と【成功】の分かれ道が始まっています。

MEMO

【成功・失敗】と言うと、少々刺激的ですが、要は自分に合った業者選びが大切です。

【失敗】というのは、思っていたのと違った…という場合で、そのお店に何を期待しているのか?によって成功の条件が違って来ます。

どのパターンが自分にとっての【成功】になりそうか、見積りを依頼する前にちょっと考えてみて下さい。

4-1. 失敗する見積り依頼の方法

「見積り」で何をするかと言うと「数量を測る」だけではありません

外壁塗装の見積りでは、施主側と「どんな内容の工事で見積りの注文をするか」の打ち合わせが重要です。
ここをおざなりにする業者が多いので、困ったものです。

車を買う時にディーラーに行って「車を下さい」と言って買う人はいません。
スーパーでお肉を買うにも、肉の部位や産地など細かいデータを気にして買いますよね。

ですから、例えば電話で見積りの依頼をして「留守の時に見ておいてください。見積りは郵送で。分からない事があったら後で聞きます」というのは危険なのです。
「何でもいいので車(お肉)を下さい」というのに等しいでしょう。

実際にはそんな見積りで工事をしてしまっている人も多いのですが、正確には失敗に気付いていないだけになります。

4-2. 正しい見積り立ち合いの方法

見積りを依頼して業者が来たら、業者を見極めることが出来ます。

実は、外壁塗装の業者の選択で、一番大切なのはこの部分です。

見積り担当者が

  • 何をして帰るか?
  • 何を聞くか?
  • 何を言うか?
  • 何を調べるか?

これを観察する事で、その業者が工事でする事(工事の品質)を見極めることが出来ます。
チェックしたいのは以下のポイント4つです。

見積り当日の確認事項
  1. 工事をする場所=塗装をする場所の確認
    特に見積りに入らない塗らない場所の確認をしておかないと「塗ると思っていたのに塗ってない!」という事になります。
  2. 塗料の確認
    塗料のグレードを、細かく聞くこと
  3. 工事をする時の注意点の確認
    車の移動や足場の建つ位置など
  4. 現在の外壁や屋根の状態を観察し、不具合が無いか診断しながら必要な工事内容を「見積もる」
    最終的には掛かる費用を計算して見積書として書面に起こすことになります。

このような事は電話やメールだとやり取りが難しいので、見積り現地調査の時に必ずしておく必要があります。

4-3. 外壁塗装の見積り当日の手順

ここで、外壁塗装の見積りを取る全体の流れをおさらいします。

実際は見積りを取って業者を決めるまでが、外壁塗装工事のの8分目までになります。

後の2割が工事中になりますが、業者を決めてしまった後は業者・職人に任せるしかありません。

ですから、業者選びまでが重要なのです。

5・外壁塗装の見積り書のチェックポイント

見積書が3通集まったら、最後に値段に惑わされないようにどの業者と契約するかの最終判断をします。

見積り書は工事の詳細と商品の仕様が記載された「工事の設計図」になる書類です。

訪問会社系の契約書だと契約金の計算書みたいな書式になっています(苦笑)

ここでは、外壁塗装の見積り書類のチェックポイントと、見積書の比較方法についてお伝えします。

5-1. ダメな外壁塗装の見積り書

一般的に言われている「ダメな見積り」の例

ダメな見積り書の例
  • 「一式工事」が多い
  • 「諸経費」がある(多い)

5-2. 「営業会社」の見積り記載例

実は皆さんが外壁塗装の見積りを頼んでいる営業マンのほとんどは、工事の詳細と塗料の詳細までは分かっていません

彼らは職人では無いので塗料を塗った事がいので、仕方がありません

※よく「塗った事がある」と言う営業マンがいますが、最低3年の職人経験が無ければ「塗った事がある」内には入りません。

大抵営業マンが言う「塗った事がある」は、実際には「チョット塗った事がある」と言う程度でしかありません。

5-3. 営業会社の「妙な見積り書」

しかし会社の実態が営業に偏り過ぎていると「受注のための作戦」が妙な方向に進み出すようで、妙な見積り書類が出来上がる事があります。

それらは一見素人の方には魅力的に感じるように作られていて、間違いなのに分からない場合もあるようです。
そんな「素人の方には魅力的に感じる怪しい見積もりの謳い文句」を6つご紹介します。

営業会社の「妙な見積り書」
  1. 足場が無料
  2. 自社ブランド塗料
  3. 初めての屋根塗装でもタスペーサーが必須
  4. 外壁4回塗り
  5. 中塗りと上塗りで違う色を塗る
  6. 塗料の缶数と工賃に分ける見積り

5-4. 正しい外壁塗装の見積り書

正しい見積りは下記の見積り書の項目の記載がしっかりしています。

あやふやな見積もり書で頼むと、当然工事内容もあやふやになるからです。

見積り書を受け取った後でチェックしたいのは、以下の6項目です。

外壁塗装の見積り書のチェック項目
  1. 使用塗料のメーカー名の記載
  2. 使用塗料の商品名の記載
  3. 塗装部分の平米数やメートル数の明記
  4. 上記数量計算の根拠の明示
  5. 工事手順の記載
  6. 塗装する部位・しない部位の明記

6・外壁塗装の塗料の選択

外壁塗装の商品選びで一番重要なのが塗料選びです。

適材適所の塗料を選ぶには、ある程度の予備知識が必要です。

業者が利益を得ようとすれば「高額な塗料」を勧めるのが手っ取り早く、「良いもの=長持ち」という説明で推してくるのが一般的です。

納得して選べるように、簡単にまとめてみましょう。

6-1. 塗料の分類

塗料の分類が分かり辛いのは、下記のように塗料の分類が何種類もあるからです。

よくあるのが【樹脂の種類】ですが、それだけでグレードが決まらないのも難点です。

外壁塗装の塗料の分類は下記の6種類などがあります。

塗料の分類例
  1. 塗装する下地の種類(鉄部・木部・サイディング・モルタル・その他)
  2. 塗装する用途:場所の種類(屋根・外壁・ウッドデッキ・ベランダ床・その他)
  3. うすめ液の種類(水性・油性=溶剤系)
  4. 塗料の成分:樹脂の種類(アクリル・ウレタン・シリコン・フッ素・その他)
  5. 艶の種類(艶消し・3部艶・5部艶・7部艶・艶有り)
  6. 1液型の塗料・2液型の塗料
  7. 付加機能のある・無し(遮熱塗料・防汚機能・工程省略化機能など)
  8. 使用用途(DIY用・プロ用)
  9. メーカーの種類

外壁に塗る塗料の種類を考えるには、まず外壁の種類が分からないといけません。

6-2. 外壁に塗る塗料の種類

外壁の種類により、大まかに塗料の分類が分かれます。
その分類の中で、さらに各種のグレードや付加機能や1液・2液、油性・水性などの種類があります。

外壁に塗る塗料の種類
  1. モルタル外壁 艶消し外壁?艶消し塗料各種
  2. 艶有り塗料?艶有り塗料(基本1種類)
  3. サイディング 色を付けて塗って良いサイディング外壁?艶有り塗料各種
  4. 下地の色・柄を残したいサイディング外壁?クリヤー(透明)塗料
  5. ALC(ヘーベル) 色を付けて塗って良いサイディング外壁?艶有り塗料各種
  6. 下地の色・柄を残したいサイディング外壁?柄付き(石粒付き)塗料各種
  7. 鉄筋コンクリート 色を付けて塗って良いコンクリート外壁?艶有り塗料各種
  8. 下地の打ちっ放しの風合いを残したいコンクリート外壁?クリヤー(透明)塗料
  9. 木板 色を付けて塗って良い木板外壁?艶有り塗料各種
  10. ウッドデッキ風の木目が見える風合いを残したい板壁?木部用浸透性塗料

6-3. 屋根に塗る塗料の種類

屋根用の塗料は外壁用塗料より種類が少なく、各種屋根の素材に合わせてグレード・付加機能や1液・2液、油性・水性などの種類があります。

ここでは、屋根の種類を挙げておきます。

屋根に塗る塗料の種類
  1. スレート(コロニアル)屋根
  2. アスファルトシングル屋根
  3. 塗装が必要な瓦屋根(セメント系の瓦)
  4. 塗装が不要な瓦屋根(日本瓦・洋瓦の陶器瓦)
  5. 塗装が必要な金属屋根(ガルバリウム鋼板・トタン)
  6. 塗装が不要な金属屋根(銅板・ステンレス・アルミ)

6-4. バルコニー防水

外壁塗装工事では、バルコニーの防水についてもメンテナンスを検討する良い機会です。

6-4-1.バルコニー防水の種類

バルコニー防水には下記の種類があります。

バルコニー防水の種類
  1. FRP防水
  2. ウレタン防水
  3. アスファルト防水(露出工法・押さえコンクリート工法
  4. シート防水(塩ビシート工法・加硫ゴムシート工法)

ご自宅のバルコニーの種類が分からない場合は、下記の記事を読んでみて下さい。

6-4-2.FRP防水のメンテナンス

現在の戸建て住宅で一番多いのはFRP防水です。

FRP防水のメンテナンスには、外壁塗装以上の知識と経験が必要なので、気になる方は下記の記事から読んでみて下さい

7・初めの外壁塗装で見積りを比較する時のポイント

見積りを取ったら、一番気になるのが「合計金額」でしょう。
その比較は簡単ですが「安かろう・悪かろう」にもなりかねません。

また、一般的に「一式工事」の項目はなるべく少ない方が良いとされている…等
見積り書の比較方法にもいくつかポイントがあります。

外壁塗装の見積りは、1社だけ取る事はあまり良く無いので数社取る事が多いと思います。

しかし、手に入れた見積りを比較するポイントや、基準値が分からなければ間違った判断で決めてしまう事になってしまいます。

そして、判断を間違ってしまう要因の第一が「人柄で選ぶ」事です。

何故なら…工事をちゃんとしない業者(悪い業者・騙す業者)は、それをカモフラージュするために、良い人と思われるのが仕事だからです。

あなたを騙そうと考えていなくても、自分の営業成績のためだけにとにかく契約を取りたい、そんな営業マンは「良い人だと思わる事」が出来なければ致命傷です。

ですから、営業マンが良い人で信用出来そうなのは何よりですが、それ以外の要因もきちんと見極められるようにしておきましょう。

その1つの資料として「書類=見積り」は後に残りますし比較もしやすいので、きちんとチェックポイントの1つにはしておくと良いでしょう。

逆に言うと、業者の方としても見積り書類を分かりやすくしておく事で、正々堂々他社と比較判断してもらえるようになります。

業者側の立場で言えば、正しく分かりやすい資料を作っておけば、おのずと選ばれ契約できる割合が増える、と考えるべきです。

7-1. 見積り書セットの内容で分かる「業者選び」のチェックの方法

一般の方が見積り書を見ただけでは分からないことを知っている業者なら、以下のような書類を「見積り書類セット」に入れておくでしょう。

これらの資料をお客様が知らずに業者を選んでしまうと、どこかでトラブルの元になってしまいます。

お客様にとっては「失敗・後悔」の元ですし、業者としても「赤字の元」で、良い事が1つもありません。

外壁塗装工事に慣れている=外壁塗装工事のプロなら、このようなトラブルが起きる前にお互いに確認をしておく必要があるのです。

7-2. 見積り書に入っているセット内容の例

「見積り計算書(金額)」以外に「見積り書類セット」として同封されている資料には以下のような書類例があります。

見積り書セットの内容【例】
  1. 見積り現況写真
  2. 工事の場所の解説
  3. 工事の手順の解説
  4. 塗料の解説
  5. 工事に必要な諸条件の解説
  6. 契約書のサンプル
  7. 約款のサンプル

7-3.  一般の方が「見積り書」だけでは分からない事

一般の方が「見積り書だけでは分からないこと」は沢山あります。

それらは工事が始まってから分かったり、工事が終わってしまってから分かるので「それでは困る」「そんな事なら契約しなかった」という事になっても後の祭りです。

そうならないためにも、以下の事がご自身にとって重要な事なのか気にならないレベルなのかは把握しておきたいものです。

外壁塗装の契約前に確認しておくべきチェックポイント
  1. 工事の着工予定日
  2. 工事の期間
  3. 工事の流れ(開始時間・終了時間)
  4. お茶出し・トイレ
  5. 雨の日の休工連絡の方法
  6. 近隣挨拶の方法・品物(近隣にも工事の営業をするか・しないか)
  7. 工事車両の駐車場所(路上駐車をするか・しないか)
  8. 工事写真を取るか・取らないか(確認方法と見れる時期)
  9. 家の廻りの荷物の移動が必要か
  10. 工事の保証(保障の対象と期間)
  11. 支払いの流れ(これは業者にとって重要なので厳重に記載があるかもしれません

8・外壁塗装の価格

相見積もりを取って比較する際に、相場感が分かっていれば安心です。

安過ぎて手抜き工事が心配になる怪しい見積りや、高過ぎるボッタクリ業者なのかくらいは分かります。

下記の具体例を参考に、我が家の外壁塗装をするのに適した費用の価格帯を調べてみてください。

8-1. 外壁塗装の価格の相場

家の大きさ相場
20坪程度・モルタル外壁¥598,000円~
25坪程度・モルタル外壁¥684,000円~
30坪程度・モルタル外壁¥766,000円~
35坪程度・モルタル外壁¥845,000円~
40坪程度・モルタル外壁¥922,000円~
35坪・3階建て・モルタル外壁¥942,000円~
40坪・3階建て・ALC外壁¥1,081,000円~
45坪・二世帯住宅¥984,000円~

8-2. シーリング工事の相場

サイディング外壁とALC(ヘーベル)外壁・鉄筋コンクリート外壁の場合には、目地のシーリング(コーキング)も交換工事が上記の他に必要です。

この項目の相場感は家の造りによってまちまちなので、大雑把な相場観になりますので参考程度に捉えてください。

シーリング工事の相場
  1. サイディング外壁…20万円~40万円程度
  2. ALC(ヘーベル)外壁…30万円~50万円程度
  3. 鉄筋コンクリート外壁…20万円~50万円程度

8-2-1. シーリング工事の注意点

シーリング工事で注意したいのが、工事の方法に下記の2種類ある所です。

シーリング工事の注意点
  • 打ち替え工事…今付いているシーリングを引き抜き、新しいシーリングと入れ替える(外壁の目地などは必ずこの方法で行う)
  • 打ち増し工事…今付いているシーリングは残し、その上から新しいシーリングを載せて付ける(サッシ廻りなどはこの方法で行う事が多い)
【 注意】

外壁シーリングの目地工事を「打ち増し」で済ます工事をする場合、よく打ち合わせを行う必要があります。

単なる予算削減のためであれば、後で打ち増ししたシーリング材が剥がれてしまう事があるので注意してください。

8-3. 屋根塗装の相場

屋根塗装の相場は屋根の広さや塗料によって変わります。
以下の目安は一般的なスレート屋根(コロニアル)の場合です。

屋根塗装の相場
  • 2階建て20坪の家で20万円~
  • 2階建て30坪の家で30万円~
  • 2階建て40坪の家で40万円~

8-3-1. 屋根塗装のオプション

屋根塗装でオプションを付ける場合の費用は下記程度が概算目安になります。

屋根塗装のオプション費用の相場
  • 遮熱塗料に変更…5万円~10万円程度の追加
  • 断熱塗料ガイナに変更…10万円~20万円程度の追加(下記タスペーサーの追加も必要)
  • タスペーサーの追加…5万円~10万円程度の追加

9・初めの外壁塗装で契約する時のポイント

見積りが揃ったら、工事を依頼する=契約する業者を決定します。

最終選考ですから、ここが一番肝心です。

9-1.  契約を決める前に確認したい「契約書」から見えて来る業者の姿勢

「見積り」の段階で「契約書」を確認する事は、ほとんどありません。

しかし実は「契約書類の内容」も契約を決める為の資料としてはとても重要です。

なぜなら、契約書は「トラブルを防止するため」に作られるものですから、適当で不備のある契約書はトラブルの温床になります

さらに以下のようなポイントが守られていない契約書であれば、工事の質も低いに違いありません。

9-1-1. 契約書のチェックポイント

契約書を見れば、業者の神経の細やかさをチェックすることが出来ます。

どんな点を中心に確認すればよいのかをいかにご紹介いたしますので参考にしてみてください。

契約書のチェックポイント
  1. 契約だけ出来れば良いので、説明は省いて手軽にサインが出来るようになっている契約書。
  2. その後のトラブルの元にならないように、説明が長くなってもきちんとお互いの合意を書面で交わす契約書。
  3. 外壁塗装工事の経験自体が少なく、今まで特にトラブルも無いので、サンプルそのままの契約書。

9-1-2. 訪問販売系の契約書の特徴

訪問販売の営業マンは、とにかく早く契約書にサインしてもらうのが仕事です。
いつでも・どこでも・すぐに契約が出来るようになっているので、最短で見積りに来たその場でも提出が出来るようになっています。

そのために必要な契約書の書式は以下の特徴があります。

  • 見積りが出来上がるまでが早い(見積りをした当日の夜に持って来るなど)
  • 外壁塗装の料金計算のベースが家の床面積になっている(外壁を塗る面積では無い)
  • 見積り項目に一式工事が多い(細かい部分の塗装は全部一式)
  • 見積り書と契約書が1枚になっている

9-1-3. 工夫の無い契約書

外壁塗装をあまり行っていない会社や、契約関係に疎かったりずさんだったりする会社だと、以下のような契約書になりがちです。

「昔ながら」の手順で進めばそれに越したことはないのですが、工事までこの調子で適当に行うようでは困ります。

  • リフォーム協会の契約書をそのまま利用している
  • ネット上で見つけられるサンプルをコピペしている
  • 約款の添付が無い
  • 注意事項の記載が無い

9-1-4. 業者に有利な内容の契約書

契約書は業者側が用意しておくものですから、法律上で認められない不当な文言で無ければ、勝手に業者側に有利な契約内容が掛かれている事も有ります。

特に前払い金の件は大手の会社だと当たり前のようになっています。
ここは微妙ですが、半分の前払い金は多過ぎはしないでしょうか?

「信用」と「半分支払わなければならない理由」に合理性が有ればとは思いますが…
特に初めて依頼する業者であれば、前払い金無しとは行かないまでも30%程度がお互いに無難な割合だと思います。

  • 業者に有利な注意事項ばかりが記載されている
  • 前払い金が50%以上になっている

9-2. 外壁塗装の業者選定の比較要素

見積りを3社取った後で、どのように業者を選定したら良いのでしょうか?

総合的な判断の中身を細分化してみると、下記の要素があります。
どの部分が重要になるかを一旦確認しつつ他の要素も確認してみましょう。

9-2-1. 一般的な業者選定の比較要素

一般的な業者選定の比較要素
  • 見積り価格
  • 会社の規模(ブランド) 会社の近さ
  • 地元感
  • 取り扱う塗料 耐候年数(寿命)
  • 性能(低汚染性・遮熱など)
  • 樹脂のグレード
  • メーカーのブランド
  • 保証
  • 営業マンの印象 相性
  • 言葉遣い
  • 身なり・見た目(好み)
  • 言動の一貫性
  • 知識・経験
  • 質問への回答の精度
  • レスポンスの速さ

9-2-2. 注意したい比較項目

注意したい比較項目
  • 値引き(お得感)
  • キャンペーン
  • 見本にする
  • 近くの現場の足場を持って来る
  • スケジュールが空いたので…
  • 今日契約してくれれば…

9-3. 業者決定を総合的に判断する方法

最終的な業者の決定は、下記の要素を総合的に判断する事になります。

各要素のチェックに漏れが無いように気を付けましょう

外壁塗装の業者選びの総合判断
  • 直観・相性(主に営業マン)
  • 価格
  • 塗料(寿命・耐候性)
  • 仕上がり、見た目(塗料の選定による)
  • 追加工事との兼ね合い
  • 業者のメリット・デメリットを確認する

9-4. 契約時に確認しておきたい事

信用出来る業者と納得出来る見積りが揃ったら工事の契約契約です。

契約時に確認するべき事は意外と多く、打ち合わせをしても忘れてしまう事が多いものです。
下記のポイントなどは、出来れば書面でお互いに確認しておく方が良いでしょう。

契約時の確認【チェックリスト】
  • 工事の着工予定日
  • 工事の期間
  • 工事の流れ(開始時間・終了時間)
  • お茶出し・トイレ
  • 雨の日の休工連絡の方法
  • 近隣挨拶の方法・品物(近隣にも工事の営業をするか・しないか)
  • 工事車両の駐車場所(路上駐車をするか・しないか)
  • 工事写真を取るか・取らないか(確認方法と見れる時期)
  • 家の廻りの荷物の移動が必要か
  • 工事の保証(保障の対象と期間)
  • 支払いの方法
  • ローンは可能か?
  • 支払いの時期・割合(前払い金・中間金・完成金の有る無し・割合)

10・外壁塗装の工事前の準備

いよいよ足場を掛けて工事が始まります。

下記の工事前の準備さえしっかり出来ていれば、足場が掛かってからはアッという間に工事は終わってしまいます。

10-1. 工事の前の準備

工事の前に準備しておかなければならない事は、業者だけではありません。

業者では出来ない下記の部分は、あなたの担当になります。

  • 荷物の片付け
  • 車の移動先の手配
  • 植木の選定・植木鉢の移動

10-2. 色決め

いよいよ「色の話」になりました。

外壁や屋根、雨どいやアクセント部分に塗る色を決めるのは、楽しくもあり・難しくもあります。

外壁塗装で色決めに関するチェック項目は悩み始めると終われなくなります。

完成形が想像でしかなく、実際の現物で確認が出来ないからです。

外壁塗装の色決めに関してのチェックポイントは以下になります

外壁塗装の色決めに関わるチェックポイント
  • 外壁の色はどのように決めて行く?
  • どんなサンプルから選べる?
  • サンプルを取り寄せる色を決める
  • 失敗しないためのサンプルを見るコツ
  • 似た色の濃度で少しづつ違うものを選ぶ
  • サンプルは有料?無料?
  • サンプルは何色くらい作ってもらえるの?
  • サンプルはどのように届く?
  • サンプルが届いたらどうやって決める? サンプル板の比較方法のコツ ①…場所
  • サンプル板の比較方法のコツ ②…天気
  • サンプル板の比較方法のコツ ③…比較して「見る」位置
  • 色の決定権は家族の誰の意見に従えば失敗しないのか?

10-3. 現場下見(現地調査)

契約が終わらないと出来ない現地調査もあります。

これらの部分は契約後に追加金額があるかもしれません。
後で「そうとは思わなかった」とならないように、事前の打ち合わせが必要です。

契約後に行われる現地調査
  • 足場の下見 敷地越境
  • 電線防護管
  • 道路使用許可の手続き
  • 電線防護管の設置が必要な場合の手続き
  • 電線防護管って何のこと?
  • 電線防護管が必要なのはどんな場合?
  • 電線防護管を付ける費用は?
  • 東京電力の下見(必要な防護管の調査)
  • 防護管の用意(自社で持っている場合)
  • 防護管の容易(リース会社に頼む場合) 電線防護管の設置工事の方法
  • 電線防護管の撤去はどうやってする?

10-4. 近隣挨拶

近隣挨拶は重要です。
ピンと来ないかもしれませんが、業者だけが近隣挨拶に行くとトラブルの元です。

しかも、意外と「あの時○○さんが工事の挨拶に来た・来なかった」というのは、数十年後まで覚えているものです。
(ご自分の記憶と照らし合わせてみて下さい)

ベストなのは、業者と施主が一緒に廻ること。

最近のインターフォンはカメラ+録画機能付きなので不在時に挨拶に行っても「ちゃんと来たこと」が伝わるので、カメラに録画させておけば、きちんと筋を通せます。

近隣挨拶のチェックポイント
  • いつ頃行くか?何時頃行くか?
  • どのように廻るか(業者と一緒か・別々か?)
  • どこまで行くか
  • 何か持って行った方が良い?
  • 不在の場合はどうする?

11・外壁塗装の工事内容

工事が始まったら、実際どのように進んでいくのでしょうか?

それぞれの業者ごとに順番など違う事も有るかもしれませんが、工事前に確認をしておくと良いでしょう。

11-1. 外壁塗装工事の工程

一般的には下記のような工程で進みます。

一般的な外壁塗装の工事の工程
  1. 足場設置
  2. 高圧洗浄
  3. (シーリング/コーキング)
  4. (補修・交換工事)
  5. 屋根塗装
  6. 外壁塗装
  7. 細部塗装
  8. 足場撤去
  9. 清掃

11-2. 工事が終わってからする事

足場が取れたら工事は終わりですが、あと少し手続きがあります。

きちんとした業者なら、最後まで滞りなく済ますでしょう。

足場が取れてからする事
  • 点検・確認
  • 請求手続き
  • 保証の確認

12・外壁塗装でよくあるトラブル

外壁塗装工事でのトラブルのほとんどが「思っていたのと違う」事が原因です。

以下のポイントをあらかじめ知っていれば、そのようにはならずに済みます。

外壁塗装でよくあるトラブル集
  • 塗ると思っていた場所が塗られていない
  • 思った色と違う
  • 塗ったら壁の凹凸が目立って見えるようになった
  • 塗ったら壁がピカピカになった
  • 工事中に洗濯物が干せなくて困った
  • 鉄部がすぐに錆びた
  • ヒビの埋めた跡がすごく目立ってみっともない
  • 屋根を塗ったら雪が凄い勢いで落ちるようになった
  • 遮熱塗料を塗ったのに、ちっとも涼しくならない
  • 工事に来たリ来なかったり、途中でかえってしまったり・午後急に来てみたり…

上記の事の中には「それは外壁塗装では出来ない」といったこともあります。
「おかしいな?」と思ったら、冒頭でお伝えした【外壁塗装で出来ないこと】を確認してみると良いでしょう。

外壁塗装をする時に行う事|まとめ

最後まで読んでいただきありがとうございます。

もしかしたら「外壁塗装で行う事ってこんなにあるんだ…」と思われたかもしれません。
実際に行うことを網羅してあるので、全てを真剣に行わなくても良い可能性も有ります。

この記事では下記の点についてまとめてみました。

この記事で外壁塗装がスムーズに行えるようになった(役に立った)ら嬉しいです。

興味がありましたら、他の記事も読んで頂けると有りがたいです。

お疲れ様でした。

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